G検定(ジェネラリスト検定)の難易度を調べると、「合格率が高いからやさしい」という説明と「範囲が広くて大変」という説明の両方が出てきます。どちらも根拠が書かれていないことが多いので、この記事ではJDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が回ごとに発表している受験者数・合格者数・合格率だけを並べ、そこから何が言えて何が言えないのかを分けて書きます。先に結論を書くと、合格率は公表されていますが、合格ライン(合格点)はJDLAが開示していません。(2026年9月時点)
結論:合格率は7〜8割台、ただし合格ラインは公表されていない
- JDLA発表の合格率は、2025年第1回の73.69%から2026年第4回の83.08%の範囲で推移しています(直近11回、オンライン試験ベース。2026年の一部の回は会場試験を含む合算値)。
- 直近の2026年第5回は14,908名が受験し11,475名が合格、合格率76.97%です(出典:JDLA「2026年 第5回 G検定」開催結果)。
- 合格ラインは公表されていません。JDLAはよくある質問で「合格ラインおよび得点については開示しておりません。」と明記しています(出典:JDLA G検定のよくある質問)。「7割で合格」と書かれた情報は主催団体の公表ではありません。
- 合格率は方式によっても変わります。2025年に導入された会場試験の初回(G検定 Onsite 2025)は553名が受験し360名が合格、合格率65.10%でした(出典:JDLA「G検定 Onsite 2025」結果発表)。
- 試験そのものは受験資格に制限がなく、オンライン試験は100分・145問程度の多肢選択式です。範囲の広さが難所で、計算力や実装力を問う試験ではありません。
- 勉強時間はJDLAの合格者アンケートで「30〜50時間」が最多(25.3%)と公表されています。あくまで合格者の回答分布で、必要時間の保証ではありません。
出題範囲そのものの中身はG検定の出題範囲(シラバス)の解説、この資格が自分に向くかどうかの整理はG検定は意味ない?向く人・向かない人にまとめています。この記事は数字で難易度をどう読むかに絞った内容です。
まず押さえる試験の事実(2026年9月時点)
難易度を考える前提になる事実です。すべてJDLAが公開しているものに限っています(出典:JDLA「G検定とは」、G検定のよくある質問)。
- 受験資格:制限なし。学歴・実務経験・前提資格は問われません。E資格のように認定プログラムの修了が前提になる仕組みはありません。
- 実施方式:オンライン試験(自宅受験)と会場試験(オンサイト実施)の2種類。JDLAは「オンライン試験と会場試験は別のシステムで実施されます。そのため、各試験でアカウント登録が必要です」「お申込み後のオンライン試験⇔会場試験の変更・振替はできません」と案内しています。
- 試験時間:オンライン試験100分/会場試験120分。
- 出題数:受験形式に関係なく145問程度。出題形式は知識問題(多肢選択式)。JDLAはよくある質問で「試験時間は、オンライン試験は100分、会場試験は120分となります。問題数は、受験形式に関係なく145問程度出題されます。」と回答しています。
- 受験料:一般13,200円(税込)、学生5,500円(税込)。オンライン試験には割引制度がありますが、会場試験には割引がありません。
- 次回日程(G2026#6):2026年11月6日(金)16:00〜17:40、11月7日(土)13:00〜14:40のオンライン試験。申込期間は個人が2026年9月11日(金)13:00〜10月29日(木)23:59です。この回は会場試験の実施がありません。
- 出題範囲:シラバスとして公開。現行版は「G2024#6〜」のシラバスです。
- 合格ライン:非公表。「合格ラインおよび得点については開示しておりません。」
100分で145問程度ということは、1問あたり約41秒です(100分÷145問を計算した値)。会場試験は120分なので1問あたり約49秒になります。難易度の実感を左右するのは1問の難しさよりこの時間制約で、知らない用語で立ち止まると後半が間に合わなくなります。

JDLA発表の回別データ(受験者数・合格者数・合格率)
JDLAは試験のたびに開催結果をプレスリリースとして発表しています。直近11回と、会場試験の初回を並べます。数値はいずれも各リリースに記載された発表値です。
| 回 | 実施日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 第1回 | 2025年1月11日(土) | 4,633名 | 3,414名 | 73.69% |
| 2025年 第2回 | 2025年3月7日(金)・8日(土) | 6,401名 | 4,776名 | 74.61% |
| 2025年 第3回 | 2025年5月10日(土) | 4,284名 | 3,501名 | 81.72% |
| 2025年 第4回 | 2025年7月4日(金)・5日(土) | 7,440名 | 5,833名 | 78.40% |
| 2025年 第5回 | 2025年9月6日(土) | 7,924名 | 6,051名 | 76.36% |
| (参考)G検定 Onsite 2025 ※会場試験の初回 | 2025年10月16日〜18日 | 553名 | 360名 | 65.10% |
| 2025年 第6回 | 2025年11月7日(金)・8日(土) | 10,350名 | 8,005名 | 77.34% |
| 2026年 第1回 | 2026年1月10日(土) | 8,529名 | 6,718名 | 78.77% |
| 2026年 第2回 | 2026年3月6日(金)〜8日(日) | 12,027名 | 9,265名 | 77.04% |
| 2026年 第3回 | 2026年5月8日(金)〜10日(日) | 8,305名 | 6,843名 | 82.40% |
| 2026年 第4回 | 2026年7月3日(金)・4日(土) | 9,241名 | 7,677名 | 83.08% |
| 2026年 第5回 | 2026年9月4日(金)〜6日(日) | 14,908名 | 11,475名 | 76.97% |
この表から読み取れることを、事実と解釈に分けて書きます。
事実として言えること
- 直近11回の合格率は73.69%〜83.08%の範囲にあり、いずれの回も7割を超えています。
- いちばん低いのが2025年第1回(73.69%)、いちばん高いのが2026年第4回(83.08%)で、差は約9.4ポイントあります。回によって一定ではありません。
- 受験者数は4,284名(2025年第3回)から14,908名(2026年第5回)まで、回による幅が大きいです。
- 2026年第5回時点で、JDLAはG検定の累計受験者数234,669名、累計合格者数168,037名と発表しています。公表値から計算すると累計の合格率は約71.6%です。
- 会場試験の初回(G検定 Onsite 2025)の合格率65.10%は、同じ年のオンライン試験の各回(73.69%〜78.40%)よりも低い数値です。
言えないこと
- 「合格率が上がったから試験がやさしくなった」とは言えません。JDLAは回ごとの難易度調整や得点分布を公表していないため、合格率の変動が問題の難易度によるものか、受験者層の変化によるものかを切り分ける材料がありません。
- 「会場試験のほうが難しい」とも言えません。Onsite 2025は受験者553名で母数が小さく、会場受験を選んだ人の層も分かりません。試験時間も120分と異なります。
- 合格に必要な得点も言えません。合格ラインが非公表なので、「◯問正解すれば合格」という形の目標設定はできません。

合格ラインの見方:なぜ「7割で合格」と書けないのか
G検定の合格ラインについて、JDLAのよくある質問には次の回答があります(出典:JDLA G検定のよくある質問。原文どおり引用)。
合格ラインおよび得点については開示しておりません。
開示されていないのは合格ラインだけでなく、受験者自身の得点もです。合否は分かりますが、何点だったのかは分かりません。そのため次のことが起こります。
- 合格者が「自分は◯%取れた」と書くことができないため、体験談からも合格ラインは逆算できません。
- 「6割」「7割」と書かれている情報は、公表値ではなく推測です。出所を確認すると、多くは他サイトからの引用の連鎖になっています。
- 模試や問題集の正答率を「合格ライン超え」の根拠にはできません。市販教材の正答率とG検定本番の得点は、同じ尺度ではありません。
では何を目標にするか。実務的には、シラバスの項目を「説明できる/用語は見たことがある/知らない」の3段階で自己点検し、『知らない』をゼロに近づけるという進め方に切り替えるのが現実的です。点数目標が設定できない試験なので、範囲の網羅率で管理するほうが扱いやすくなります。項目の並びは出題範囲(シラバス)の解説を使ってください。
なお、JDLAは受験形式に関係なく145問程度と公表していますが、分野ごとの問題数の配分や配点は公表していません。「この分野は◯問出る」という前提での学習計画も、公表情報からは立てられません。
合格率7〜8割を「やさしい」と読んでよいか
合格率だけを見ると高い数字です。ただし合格率は「受験した人のうち何割が受かったか」であり、試験の難しさを直接表す数値ではありません。G検定の場合、次の3点が合格率を押し上げる方向に働いていると考えられます(ここは当サイトの解釈で、JDLAの説明ではありません)。
- 受験資格に制限がなく、受験のハードルが低い一方で、受験料が13,200円(税込)かかります。お金を払って申し込む人は、ある程度準備してから受ける傾向があると考えられます。
- オンライン試験は自宅受験です。環境を整えて受けられるぶん、会場受験に比べて条件が安定します。
- 知識問題(多肢選択式)のみで、記述や実装がありません。覚えた内容がそのまま点になる形式です。
逆に、難しさが出るのは次の点です。
- 範囲が広い。シラバスは機械学習・ディープラーニングの技術分野に加えて、法律・倫理・産業応用まで含みます。技術者にとっては法律分野、非技術者にとっては技術分野が抜けやすい構造です。
- 1問あたり約41秒。100分145問程度という時間配分は、知らない用語を考え込む余裕がありません。
- 合格ラインが分からない。どこまでやれば安全なのかの基準が自分で作れないため、勉強の止め方が難しくなります。
- 用語の新しさ。シラバスは改定されます。現行版は「G2024#6〜」のもので、古い教材だけで進めると範囲のずれが出ます。
まとめると、G検定の難易度は「1問1問が難しい試験」ではなく「広い範囲を薄く確実に埋める試験」という性質です。他のAI資格と比べたときの位置づけは、認定プログラム修了が前提になるE資格の難易度と合格率や、AI資格4つの比較と選び方と合わせて見ると分かりやすくなります。
勉強時間の目安と、そこから作る計画
勉強時間について、JDLAは合格者向けアンケートの結果を公開しています(出典:JDLA「G検定について(試験概要・学習方法・試験対策・合格者体験談)」。原文どおり引用)。
G検定の合格者に行ったアンケートでは、G検定受験までに要した学習時間は、「30〜50時間」が一番多く、25.3%。ついで「15〜30時間」の21.5%、「50〜70時間」の18.4% となっています。
同ページには、この調査が2025年第5回のG検定合格者を対象としたもので、有効回答数158と記載されています。読み方の注意は3つです。
- 合格者だけへのアンケートです。不合格だった人の学習時間は含まれないため、「この時間で受かる」という保証にはなりません。
- 有効回答数158は、同回の合格者6,051名の一部です。回答した人に偏りがある可能性があります。
- 最多区分でも25.3%です。「30〜50時間」は4人に1人で、15時間未満から70時間以上まで幅があります。前提知識の差がそのまま出ています。
そのうえで、目安として使うなら次の型になります。合計30〜50時間を4つのブロックに割る形です。
- シラバスを読んで棚卸しする(2〜4時間)。現行版(G2024#6〜)の項目を上から見て、「説明できる/見たことがある/知らない」を付けます。ここで自分の穴が決まります。
- 公式テキストを通読する(10〜15時間)。JDLAは合格者体験談のページで「深層学習教科書ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版」を挙げています。1周目は止まらずに最後まで行くほうが全体像がつかめます。
- 問題集で穴を埋める(10〜20時間)。体験談では、公式テキストを複数回読んだうえで問題集を繰り返した例、模擬問題を先に解いて全体像をつかんだ例が紹介されています。教材の選び方はG検定の教材と講座の選び方にまとめました。
- 時間を計って解く(5〜10時間)。1問約41秒の感覚を体に入れる工程です。JDLAはG検定の例題を公開しているので、まずこれで形式を確認できます。範囲に沿った練習問題はG検定の予想問題に置いています(過去問そのものはJDLAが公開していないため、シラバスに基づく予想問題です)。
この時間配分は、上記アンケートの最多区分(30〜50時間)を4工程に割り当てた当サイトの目安で、JDLAが推奨する配分ではありません。前提知識がある人はもっと短く、まったく初めての人はもっと長くなります。

難易度の読み方でよくある失敗5つ
- 「合格率7割超だから対策なしでいける」と考える。合格率は受験した人の中での割合で、準備した人が多く含まれています。受験料13,200円(税込)を払って無策で挑むのは割の悪い賭けになります。
- 「合格ラインは7割」という前提で計画を立てる。JDLAは合格ラインを開示していません。点数目標ではなく、シラバス項目の網羅率で管理してください。
- 直近1回の合格率だけを見る。直近11回で73.69%〜83.08%と約9.4ポイントの幅があります。1回の数字を「G検定の合格率」として固定しないほうが安全です。
- オンライン試験と会場試験の数値を混ぜて比べる。試験時間(100分/120分)もシステムも別で、申込後の振替はできません。JDLAのリリースも回によって合算・単独が異なります。
- 古いシラバス前提の教材だけで進める。現行版は「G2024#6〜」です。改定前の教材だけだと、範囲のずれに気づけません。
よくある質問
Q1. G検定の合格ラインは何割ですか
2026年9月時点で、JDLAは合格ラインを公表していません。よくある質問に「合格ラインおよび得点については開示しておりません。」と明記されています(出典:JDLA G検定のよくある質問)。受験者本人の得点も開示されないため、体験談から逆算することもできません。「6割」「7割」と書かれた情報は主催団体の公表ではないため、当サイトでは採用していません。点数ではなく、シラバス項目をどこまで埋めたかで準備の度合いを判断してください。
Q2. 合格率が回によって違うのはなぜですか
理由はJDLAから公表されていません。直近11回の合格率は73.69%〜83.08%で、約9.4ポイントの幅があります。回ごとの難易度調整の方針、得点分布、受験者の属性の変化はいずれも公表されていないため、変動の原因を特定することはできません。また2026年第2回・第3回・第5回はオンライン試験と会場試験を合わせた数値として発表されており、回によって集計の対象が異なる点にも注意が必要です。特定の回を「受かりやすい回」として選ぶ判断材料は、公開情報にはありません。
Q3. 勉強時間はどれくらい見ておけばよいですか
JDLAが合格者に行ったアンケートでは「30〜50時間」が最多で25.3%、次いで「15〜30時間」が21.5%、「50〜70時間」が18.4%と公表されています(出典:JDLA「G検定について」。同ページに2025年第5回の合格者を対象とし有効回答数158と記載)。合格者のみへの調査で、最多区分でも4人に1人であることから、必要時間を示す数値ではなく目安として扱ってください。前提知識がどの分野にあるかで差が大きく、技術分野が未経験の方は長め、法律・倫理分野が手薄な技術者はその分野に時間を割り当てる形になります。
まとめ
- JDLA発表の合格率は直近11回で73.69%〜83.08%。最新の2026年第5回は14,908名受験・11,475名合格・76.97%です。
- 累計は受験者234,669名・合格者168,037名(2026年第5回時点の発表値)。公表値から計算した累計合格率は約71.6%です。
- 合格ラインと受験者の得点はJDLAが開示していません。点数目標ではなくシラバスの網羅率で管理するのが現実的です。
- 会場試験の初回(G検定 Onsite 2025)は553名受験・360名合格・65.10%。方式や回によって数値が動くため、1回の合格率で難易度を決めないでください。
- 難所は1問の難しさより範囲の広さと1問約41秒という時間制約です。勉強時間はJDLA公表のアンケートで「30〜50時間」が最多(25.3%)ですが、合格者のみの回答分布である点に注意してください。
この記事では、JDLAが公開している試験概要・よくある質問・各回のプレスリリース・学習方法ページで確認できた記載だけを根拠にし、公表がない論点は「公表されていない」と書きました。日程・受験料・シラバスは改定されます。申込前にJDLAの公式ページで最新の内容を必ず確認してください。
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