「E資格を依頼できる会社はどこですか」「E資格の費用相場を教えてください」という質問をよく見かけます。結論から言うと、E資格は個人が受ける試験で、受験そのものを代行できる会社はありません。質問の正体は、受験資格を得るために必要な「JDLA認定プログラム」をどこで受けるか、という問いです。
E資格には、他のAI系資格にはない制度があります。JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していないと、そもそも申し込みができません(出典:JDLA「E資格とは」/2026年9月時点)。だから「受験料はいくらか」だけでは総額が出ず、「会社を選ぶ」という発想が生まれます。
この記事では、2026年9月時点でJDLAが公開している事実(受験資格・受験料・試験日程・合格率)を先に確定させ、そのうえで公開されていない受講料をどうやって自分で確認するかという手順を書きます。なお当サイトは主催団体とは関係のない非公式の情報サイトで、特定の講座を「おすすめ」として挙げることはしません。理由は最後のほうで説明します。
結論:E資格で確定している事実と、確定していない事実
先に全体像をまとめます。2026年9月時点で、JDLAが公式に公開している数字と、公開していない数字がはっきり分かれています。
- 公開されている:受験資格(認定プログラムの修了が必須)/受験料(一般33,000円・税込)/試験日程/試験時間と問題数/回ごとの受験者数と合格率/認定プログラムの事業者一覧
- 公開されていない:認定プログラムの受講料。JDLAの事業者一覧に受講料の欄はなく、「お申込み・お問合せは各事業者まで」と案内されています(出典:JDLA「JDLA認定プログラム」)
つまり「E資格の費用相場」は、主催団体が数字を出していない領域です。当サイトでは、出典のない相場の数値は書きません。代わりに、受講料を公的な検索システムと各事業者の公開ページで自分で確認する手順を後述します(→認定プログラムの公開価格を確認する4ステップ)。

E資格の受験資格|JDLA認定プログラムの修了が必須になる仕組み
JDLAはE資格の受験資格を、次のように定めています。
JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること
(出典:JDLA「E資格とは」/2026年9月時点)
ポイントは2つです。
1. 「受講した」ではなく「修了した」が条件
申し込めば受験資格が得られるわけではありません。JDLA認定プログラムは、JDLAが定める最新のシラバスの内容を網羅しているかを審査したうえで認定される教育プログラムで、各事業者が設定した修了要件(修了課題やテストなど)を満たしてはじめて「修了」になります(出典:JDLA「JDLA認定プログラム」)。修了要件の中身は事業者ごとに異なるため、申し込む前に必ず確認してください。
2. 有効期限は「試験日の過去2年以内」
修了証は永久有効ではありません。修了から2年を過ぎると受験資格が切れます。「先に講座だけ受けておいて、落ち着いたら受験しよう」と考えると、受験しないまま期限が来る可能性があります。受験する回を決めてから逆算して講座を選ぶほうが安全です。
他のAI系資格との違い
この制度はE資格に固有です。同じJDLAのG検定は受験資格に制限がなく(受験料は一般13,200円・税込/出典:JDLA「G検定とは」)、生成AIパスポートも受験資格は制限なし(受験料は一般11,000円・税込/出典:GUGA「試験概要」)です。どちらも申し込めばその日から勉強を始められます。
「AI資格を取りたいが、まず何から」という段階であれば、受験資格に制限のない試験から入るという選択肢もあります。難易度感の比較は生成AIパスポートの難易度と合格率の記事もあわせて確認してみてください。
「E資格を依頼できる会社」の正体は認定プログラム事業者
あらためて整理します。E資格において「会社に依頼する」対象は、次の1点だけです。
受験資格を得るためのJDLA認定プログラムの提供事業者(=受講先)
試験そのものの申込・受験は本人がおこないます。試験は各地の指定試験会場で実施され、試験時間は120分、多肢選択式の知識問題が100問程度です(2026年第1回は104問が出題されました/出典:JDLA「2026年 第1回 E資格 結果発表」)。代行や免除の制度はありません。
事業者一覧はJDLA公式に載っている
認定プログラムを提供している事業者は、JDLAが公式に一覧を公開しています。
2026年9月時点の一覧に載っている項目は次のとおりです。
- 認定番号(例:認定No.00001)
- 事業者名/講座名
- 受講形式(オンライン、対面、ハンズオンなど)
- 対象(個人向け/法人向け)
- 使用フレームワーク(PyTorch/TensorFlow)
- 助成金の対象かどうか(「専門実践教育訓練」「Reスキル講座」のタグ)
受講料は載っていません。また、認定が解除される予定のプログラムが注記される場合もあります。一覧は更新されるため、申し込む直前にもう一度この公式ページを開いて、認定が有効かどうかを確認するのが確実です。
当サイトが特定の会社を「おすすめ」と書かない理由
受講料や修了要件が公開されていない以上、外部から横並びで比較して優劣を断定することができません。加えて、講座を紹介する記事は紹介料などの利害関係が生じやすい領域です。当サイトは公開情報の並列にとどめ、「この会社がおすすめ」という書き方はしません。判断材料として、次のセクションの確認手順を用意しました。
E資格にかかるお金の内訳|受験料は公開、受講料は非公開
費用は「受験料」と「認定プログラムの受講料」の2階建てです。前者だけがJDLAの公開値です。
| 費目 | 金額 | 出典・確認先 |
|---|---|---|
| 受験料(一般) | 33,000円(税込) | JDLA公式「E資格とは」 |
| 受験料(学生) | 22,000円(税込) | JDLA公式「E資格とは」 |
| 受験料(JDLA正会員・賛助会員) | 27,500円(税込) | JDLA公式「E資格とは」 |
| JDLA認定プログラムの受講料 | 公開なし(事業者ごとに設定) | 各事業者の公開ページ/厚労省の指定講座検索システム |
| 個人向けの公的支援 | 専門実践教育訓練給付(対象講座のみ) | JDLA公式「個人向け助成金」 |
| 法人向けの公的支援 | 人材開発支援助成金(要件審査あり) | JDLA公式「法人向け助成金」/厚労省 |
受験料は2026年9月時点の公表値です(出典:JDLA「E資格とは」)。受験料は改定される可能性があるため、申込時に公式ページで再確認してください。

認定プログラムの公開価格を確認する4ステップ
相場を推測するのではなく、実際に自分が申し込む講座の金額を確定させる手順です。
ステップ1:JDLA公式の事業者一覧で候補を絞る
事業者一覧で、受講形式(オンライン/対面)、対象(個人向け/法人向け)、フレームワーク(PyTorch/TensorFlow)を軸に絞り込みます。まとめサイトからではなく、公式一覧を起点にするのが重要です。認定が切れた講座を受けても受験資格は得られません。
ステップ2:厚労省の指定講座検索システムで受講料を見る
教育訓練給付の対象講座であれば、厚生労働省の「厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」で、講座名・実施施設・指定期間などを検索できます。
→ 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム(厚生労働省)
公的なシステム上の情報なので、事業者の宣伝ページより条件を淡々と比較しやすいのが利点です。ただし対象は指定講座に限られるため、一覧の全講座が載っているわけではありません。
ステップ3:事業者の公開ページで「何が含まれるか」を確認する
金額そのものより、含まれる範囲の差が総額を左右します。最低限、次の項目を確認してください。
- 税込か税抜か(表示が分かれます)
- 受験料が別か込みか(多くは別。込みの場合はその旨が明記されます)
- 教材費・実行環境(クラウド利用料)の扱い
- 修了要件(修了課題・テスト・出席)と、その再挑戦が有料か無料か
- 受講期間とサポート期間、延長時の追加費用
- 不合格時の再受講・返金の規定
ステップ4:総額を1枚に書き出す
「受講料 + 受験料33,000円(税込・一般) + 教材や環境費 −(該当すれば)給付・助成の見込み額」を、候補ごとに同じ書式で並べます。ここまでやると、他人の書いた相場を探す必要はなくなります。
費用を下げる公的制度|個人と企業で入口が違う
JDLAは、認定プログラムに使える公的支援を公式に案内しています。制度の適用可否は個別に判断されるため、以下は「制度の存在と入口」として読んでください。
個人:専門実践教育訓練給付制度
対象講座を修了した場合、受講費用の50%(年間上限40万円)が支給され、資格取得や就職などの条件を満たすと20%(年間上限16万円)、賃金上昇の条件を満たすとさらに10%(年間上限8万円)が追加され、最大80%(年間上限64万円)となります。対象者は、受講開始日に雇用保険の支給要件期間が2年以上(過去に利用したことがある場合は3年以上)あるなどの条件があり、受講前にハローワークでのキャリアコンサルティングと受給資格確認が必要です(出典:JDLA「E資格認定プログラム 助成金について(個人向け)」)。
注意:E資格の受験料は給付の対象外です。対象になるのは講座の受講費用です。
企業:人材開発支援助成金
事業主が雇用する労働者に職業訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成される制度です。JDLAは、認定プログラムに関係するコースとして「人材育成支援コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」を挙げています。助成額・助成率はコースごとに異なり、支給の可否は個々の訓練実施計画をもとに判断されます。訓練開始日の1か月前までに労働局への申請が必要という点が、社内で最も詰まりやすい部分です(出典:JDLA「E資格認定プログラム 助成金について(法人向け)」、厚生労働省「人材開発支援助成金」)。
助成率や上限額は改正されることがあります。金額を前提に予算を組む場合は、厚生労働省のページか管轄の労働局で最新のパンフレットを確認してください。
試験日程・合格率と、シラバス改定の扱い
講座の受講期間を逆算するために、試験日程は最初に押さえておきます。2026年9月時点でJDLAが公表している内容は次のとおりです。
- E資格2026#1:試験開催日 2026年2月20日〜22日/申込期間 2025年12月1日〜受験日前日23:59
- E資格2026#2:試験開催日 2026年8月28日〜30日/申込期間 2026年6月1日〜受験日前日23:59
(出典:JDLA「E資格とは」)
年2回の開催なので、認定プログラムの受講が間に合わないと半年待ちになります。これが「講座選びを急がせる」最大の理由です。
直近の受験者数と合格率
JDLAは回ごとに結果を発表しています。
- 2026年 第1回(E2026#1):受験者1,317名、合格者911名、合格率69.17%。科目別平均得点率は応用数学60.48%/機械学習59.91%/深層学習60.74%/開発環境79.46%。累計合格者数は10,838名(出典:JDLA 2026年第1回E資格 結果発表)
- 2025年 第2回(E2025#2):受験者1,039名、合格者730名、合格率70.26%(出典:JDLA 2025年第2回E資格 結果発表)
合格率が7割前後というと易しく見えますが、認定プログラムを修了した人だけが受験している母集団である点は差し引いて読む必要があります。なお、2026年8月28日〜30日に実施された2026年第2回の結果は、2026年9月4日時点でJDLAから発表されていません。
シラバス改定:新シラバスは2026年第2回から適用
2025年9月にJDLAが発表したシラバス改定は、最新の技術動向を踏まえたキーワードの見直しにとどまるもので、新シラバスは2026年8月開催の「E資格2026#2」から適用されました(2026年第1回は現行シラバスで実施/出典:JDLA 2025年第2回E資格 結果発表・シラバス改定)。講座を選ぶときは、受験予定の回に対応したシラバス版で教材が作られているかを事業者に確認してください。

よくある失敗5つ
- 受験料だけ調べて予算を組む:総額の大部分は受講料側です。33,000円(税込)は入場料にあたる部分だけです。
- 認定が切れた講座を受けてしまう:一覧には認定解除予定の注記が入ることがあります。申込直前にJDLA公式一覧を再確認してください。
- 修了2年の期限を使い切る:受験する回を決めずに受講すると、期限切れで受験資格を失います。
- 助成金の申請時期を逃す:人材開発支援助成金は訓練開始日の1か月前までの申請が必要です。稟議に入る前に日程を確認してください。
- 受験料が給付対象だと思い込む:専門実践教育訓練給付の対象は受講費用で、受験料は対象外です。
企業が社員にE資格を取らせるときの進め方
人事・研修担当者の立場では、E資格は「申込を取りまとめれば済む試験」ではありません。受講が先に来るぶん、リードタイムが長くなります。実務上の順番は次のようになります。
- 受験させたい回を決める(年2回。2月と8月)
- そこから逆算して受講開始日を置く(講座の標準受講期間+修了課題の期間を事業者に確認)
- 助成金を使うなら、受講開始日の1か月前までに労働局へ申請(ここが最も後戻りできない締切)
- 法人向け対応の可否を事業者に確認(請求書払い、複数名の一括申込、進捗レポートの有無など。JDLAの一覧では「対象:法人向け」の表記で当たりをつけられます)
- 受験申込は本人がおこなう(会社がまとめて代行する仕組みはありません。受験料の負担方法は社内規程で決めます)
全社員に一律で課すタイプの資格ではない点にも注意が必要です。2026年第1回の合格者属性では、職種別で研究・開発が31.39%、情報システム・システム企画が26.23%を占めています(出典:JDLA 2026年第1回E資格 結果発表)。実装を担う職種向けの資格という位置づけです。
非エンジニア職を含めた全社的なリテラシー底上げが目的であれば、受験資格に制限のない試験を団体で受ける形のほうが設計しやすい場合があります。進め方の型は企業の団体受験の進め方の記事にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. JDLA認定プログラムを受けずにE資格を受験できますか?
できません。JDLAは受験資格を「JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること」と定めており、2026年9月時点で免除や代替の制度は公開されていません。実務経験や他資格による免除もありません。
Q2. 講座の修了はいつまで有効ですか?
試験日の過去2年以内の修了が条件です。修了から2年を超えると、その修了実績では受験できません。受験する回を先に決めてから受講を始めるのが安全です。
Q3. 結局、総額はいくらになりますか?
受験料は一般33,000円(税込)と公表されていますが、受講料はJDLAも各事業者一覧も公開していないため、当サイトでは相場の数値を示しません。本記事の4ステップに沿って、候補講座ごとに「受講料+受験料+教材・環境費−給付や助成の見込み」を書き出せば、自分の条件での総額が確定します。金額を比べる前に、受験料が込みか別か、修了課題の再挑戦が有料かを揃えてください。
まとめ
- E資格に受験の代行はない。「依頼できる会社」=受験資格を得るためのJDLA認定プログラムの提供事業者
- 受験資格は「認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了」。免除制度は公開されていない
- 受験料は一般33,000円・学生22,000円・JDLA会員27,500円(いずれも税込・2026年9月時点)
- 認定プログラムの受講料はJDLAも事業者一覧も公開していない。相場を探すより、公式一覧と厚労省の指定講座検索システムから自分の候補の実額を確定させるほうが早い
- 公的支援は、個人が専門実践教育訓練給付、企業が人材開発支援助成金。どちらも受講料側にかかり、受験料は対象外
- 試験は年2回(2月・8月)。新シラバスは2026年第2回から適用済み
※本記事は2026年9月4日時点の公開情報にもとづきます。受験料・日程・シラバス・助成制度は変更されることがあるため、申込前に必ず各公式ページで最新情報を確認してください。当サイトはJDLAをはじめとする主催団体とは関係のない非公式の情報サイトです(運営について)。
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